実家の片付けをしようとすると、必ずといっていいほど出てくるのが「これはまだ使う」「もったいないから取っておく」という親の言葉です。
子ども世代から見ると、長年使っていない物や、明らかに不要に思える物でも、親にとっては簡単に手放せない理由があることも少なくありません。
私自身、「どうしてこんなに捨てられないんだろう」と苛立ちを感じたあとで、親の話を聞き、考え方が大きく変わった経験があります。
この記事では、親が物を捨てられない心理的な背景をひも解きながら、責めずに、関係を壊さずに向き合うための考え方と、今日からできる小さな工夫を紹介します。
親が物を捨てられない理由

親が物を捨てられないのは、性格の問題ではありません。多くの場合、人生経験や価値観が深く関係しています。
物に「役割」や「思い出」を重ねている
親世代にとって、物は単なる所有物ではなく、「その時代を生き抜くための道具」でした。苦労して手に入れた物、誰かから譲られた物には、思い出や感謝の気持ちが結びついています。
捨てることは、物そのものではなく、過去の自分や人とのつながりを失うように感じられることもあります。
「備え」が安心感につながっている
「いつか使うかもしれない」という感覚は、不安を減らすための工夫でもあります。物を持っていることで、万が一に備えているという安心感を得ている場合もあります。
この心理を理解せずに不用品仕分けを進めると、強い抵抗を生むことがあります。
変化そのものに不安を感じている
片付けは、生活の変化を伴います。慣れ親しんだ環境が変わることに、不安や寂しさを感じるのは自然な反応です。
特に高齢になるほど、「今のまま」を保ちたい気持ちが強くなる傾向があります。
親との片付けで起こりやすいすれ違い

親の心理を理解していても、感情が追いつかないことはあります。子ども側の気持ちも大切にする必要があります。
「よかれと思って」が裏目に出る瞬間
安全や将来を思っての行動でも、伝え方次第では否定と受け取られてしまうことがあります。「危ない」「無駄」といった言葉は、親の価値観を否定する響きを持ちやすいです。
私も、焦りから強い言い方をしてしまい、後悔した経験があります。
親のペースと子どものペースは違う
子ども世代は効率や合理性を重視しがちですが、親は時間をかけて考えたい場合があります。ペースの違いを無理に合わせようとすると、どちらも疲れてしまいます。
違いがあること自体を、前提として受け止めることが大切です。
片付けが感情のぶつかり合いになってしまう
物の話をしているつもりでも、実際には「生き方」や「価値観」の話になっていることがあります。
そのため、思った以上に感情的になりやすいのです。
この構造を理解すると、距離の取り方が見えてきます。
親が物を捨てられないときの向き合い方

無理に捨てさせる必要はありません。考え方を少し変えることで、関係を守りながら前に進めます。
捨てる前に「話を聞く時間」を作る
物を見ながら、「これはいつ使ってたの?」と話を聞くだけでも、親の気持ちは整理されていきます。話すことで納得し、手放せるケースも少なくありません。
片付けは、作業よりも対話が中心だと考えると進めやすくなります。
判断を急がず「保留」を選択する
迷った物は、無理に決めず一度保留にしましょう。「今決めなくていい」という安心感が、次の一歩につながります。
これは、不用品仕分け全体をスムーズにする考え方です。
捨てない選択も終活準備の一部と考える
残す物を確認することは、情報を整理することでもあります。どこに何があるかを共有するだけでも、将来への備えになります。
終活準備は、減らすことではなく、理解し合うことから始まります。
【まとめ:責めずに、理解から始めよう!】

親が物を捨てられないのは、弱さではなく、人生を大切にしてきた証でもあります。まずは理由を知り、気持ちに寄り添うことが、実家片付けの第一歩です。
今日できる行動は、「捨てる」ではなく「話を聞く」こと。
親との関係を守りながら、やさしい実家サポートを続けていきましょう。

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